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最近、YouTubeやSNSで
「船乗りは年収1000万以上」といった発信をよく見かけます。
それを見て、
「そんなに稼げるのか」
「ちょっと気になる」
そう思った人もいると思います。
ただ、そのまま信じるとズレると思います。
確かに、船乗りで年収1000万に届く人はいます。
ただ、それが誰でも簡単に届くラインかと言われると、話は変わってきます。
■ 結論
船乗りの年収は確かに高めです。
ただ、
“楽に稼げる仕事”ではありません。
ここを勘違いしたまま入ると、あとからズレます。
■ 実際の給料とここまでの流れ
私の場合、乗船中の給料は月総額で64万5千円くらいです。
その数字を見てどう感じるかは、人それぞれだと思います。
ただ、船長といっても、船の中では最終責任者ですが、
全体で見れば中間管理職のような立場です。
この金額だけを見て
「船乗りは楽に稼げる」と考えると、ズレます。
数字だけ見て入ると、思っていた仕事と違うと感じる人も多いです。
というのも、この収入に来るまでには時間がかかっています。
最初は免許もなく、手取りで18万円ほどでした。
そこから少しずつ経験を積み重ねて、
現在の手取り48万〜55万円ほどのレンジになっています。
ここまでで20年以上かかっています。
この数字だけ見て入ると、たぶん途中でズレます。
正直に言うと、
“楽に1000万”みたいなイメージで来ると、
続かない人の方が多いです。
長く続けていると分かりますが、
収入として“形になる期間”は、キャリア全体の中でも限られています。
長い時間をかけて積み上げて、
その一部の期間で数字として出てくるイメージです。
表に出ている収入は結果であって、過程は見えにくいです。
■ 年収1000万という数字について
内航で年収1000万を超えている船長もいます。
ただ実際には、
・会社の中でも重要な船を任されている
・長いキャリアがある
・ベテランとして安定している
こういった条件が重なっているケースが多いです。
私自身は、まだそこまでのラインではありません。
いわゆるミドルラインにいる立場です。
上には、私よりもキャリアが長く、
実際に修羅場をくぐってきた船長が何人もいます。
そういう人たちが任されているポジションを見ると、
同じ船長でも中身は全く違うと感じます。
■ 収入が上がる仕組み
収入は、年数だけで大きく上がるわけではありません。
全体としてのベースアップはありますが、
・どの役割を任されるか
・どこまで責任を持つ立場に入るか
この違いで変わります。
現場や会社は、
・任せられるか
・判断を預けられるか
・周りと問題なく回せるか
こういった部分も含めて見ています。
そのため、
年数だけではなく、どの立場で働くかによって収入差が出てきます。
また、
役割と能力のバランスが合っていない場合、
本人の負担が大きくなることもあります。
■ 金と現実のズレ
給料は高めでも、生活の中身は別です。
・休みの取り方
・家族との時間
・自由時間
・仕事との切り替え
こういった部分は、年収だけでは判断できません。
特に上の立場になってくると、
休み自体は来ますが、自由に取れるかどうかは別の話になってきます。
重要な役割を任されるほど、
・タイミングを選びにくい
・抜けた時の影響が大きい
といった理由で、結果的に休みの自由度は狭くなると感じる場面もあります。
このあたりは、数字には出てきませんが、
実際に続けていく中では無視できない部分です。
このズレが後から効いてきます。
■ 最後に
船乗りは簡単な仕事ではありません。
むしろ難しい仕事です。
ただ、私はこの仕事に価値はあると思っています。
ここまで続けてきて、
・楽だと思ったことはありません
・簡単だと思ったこともありません
それでも続けているのは、
それなりに意味があると感じているからです。
ただし、
誰にでも勧められる仕事ではありません。
年収だけを見て入るとズレます。
働き方や責任も含めて、
納得できるかどうかで変わってきます。
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