■ 本文
タンカー船はなぜきついのか。
結論から言うと、
👉 休めない働き方が続くことで、
👉 人が消えていくような環境になっているからです。
■ なぜここまで忙しくなるのか
この仕事がきついと感じる一番の理由は、
👉 「休めるタイミングが作りにくいこと」です。
まず前提として、働き方改革の影響で以前よりは多少マシになっています。
ただ現場の感覚としては、
・週72時間
・1日14時間
この枠を前提に、できるだけ回そうとする運用になりやすいです。
■ 休みがあっても休めない現実
もう一つ、現場で感じるズレがあります。
労働時間の管理の中で、
会社やオペレーターから
「このタイミングで休みを入れてください」
といった調整が入ることがあります。
一見すると配慮されているように見えますが、
現場の感覚としては単純ではありません。
本来であれば、
・事前にタイミングが分かる
・岸壁を確保する
・乗組員が陸に上がる
こういった流れがあれば、
・買い出し
・必要な物資の補充
・短時間でもリフレッシュ
が可能になります。
ただ実際には、
👉 急に休みの指示が来ることもあります。
その場合、
・岸壁が空いていない
・陸に上がれない
・結局船内で過ごすだけ
こうなることも珍しくありません。
形式上は「休み」でも、
👉 実際には休めていないと感じる場面です。
現場としては、
👉 事前に計画できる休みの方が価値がある
と感じることが多いです。
どれだけ忙しい仕事でも、
👉 定期的に陸に上がれるかどうかは大きい
これは実際に働いていると強く感じる部分です。
👉 ではなぜ、ここまで休めない状態になりやすいのか。
昔のやり方の名残もあり、
積み地からそのまま直行して着桟、そのまま荷役という流れも珍しくありません。
その間も船は動いているため、
・見張りは必要
・航路や輻輳海域では船長が立つ
・危険な動きの船がいればすぐ呼ばれる
完全に気を抜ける時間はほとんどありません。
さらに、見えにくい部分でも作業は多く、
・航海計画の作成
・海図の選定
・電子海図の設定
・着離桟計画の作成
・着離桟前ミーティング
・各種チェックリストの確認
・設備や安全に関する点検
こういった準備や確認が毎回積み重なります。
加えて、荷役前の段階でも負担は増えます。
・積む前に油の種類ごとの安全データの確認と周知
・積み地ごとのルール確認
・揚げ地ごとのルール確認
こういった作業も毎回必要になります。
特にやっかいなのが、
👉 現場ごとに異なる独自ルールの存在です。
同じ作業でも、
・港が変わる
・会社が変わる
それだけで細かいルールが違うことがあります。
そのたびに確認と対応が必要になり、
👉 作業の負担が積み重なっていきます。
さらに現場では、
・着桟準備
・離桟準備
・荷役準備
・タンク清掃
・書類作業
・船内の掃除や雑務
やることはかなり多く、
どの人にも役割を振って回さないと成り立たない状態です。
正直に言うと、
👉 暇な時間はほとんどありません。
■ 責任と負担の現実
さらに大きいのが、責任の重さです。
船長は常に現場に立っているわけではありませんが、
・航海の安全判断
・着離桟の最終判断
・トラブル時の対応
こういった責任は常に背負っています。
もし、
・確認を怠った
・点検を省略した
・判断を誤った
その結果として事故やトラブルが起きれば、
👉 「なぜ防げなかったのか」という視点で見られます。
また、別の船で事故が起きた場合でも影響は出ます。
・ルールの見直し
・チェック項目の追加
・書類の増加
安全のために必要なことではありますが、
👉 現場の負担はさらに増えていきます。
さらに船長は、
・天気の変化
・航路の状況
・他船の動き
こういった要素を常に確認しながら判断を続けています。
👉 常に状況と向き合っている状態です。
■ なぜ人が離れていくのか
👉 この状態が続くと「もう無理だ」と感じて離れる人が出てきます。
・疲労が抜けない
・余裕がなくなる
・小さなことでイライラする
これは特別なことではなく、
どんな人でも起こり得る状態です。
ここまで書いてきたように、
・忙しさ
・責任
・環境
いろいろな要素が重なっています。
特別に弱い人だけが辞めるわけではありません。
むしろ、
👉 どんな人でもきついと感じる環境です。
だからこそ、
👉 無理が続いた人から離れていきます。
■ 人手不足が起きる理由
ここまでの話を見れば分かる通り、
この働き方で人手不足になるのは自然な流れです。
・忙しさが続く
・責任が重い
・休みが取りにくい
こういった条件が重なると、
👉 人が定着しにくくなります。
また現場では、
👉 労働時間や働き方の問題が表に出るケースもあります。
すべての会社がそうとは限りませんが、
環境によっては改善が追いついていないと感じる場面もあります。
特に、
・人員に余裕がない
・回す前提で組まれている
こういった現場では、
👉 一人あたりの負担が大きくなりやすい傾向があります。
その結果として、
・続けられる人が限られる
・離れる人が出る
・さらに人が足りなくなる
👉 こういった流れが起きやすくなります。
■ 他の船種との違いと共通点
ここまでタンカー船の話をしてきましたが、
👉 忙しいのはタンカー船だけではありません。
実際には、
・貨物船
・その他の船種
でも、運航形態によっては同じように忙しい現場はあります。
ただ共通しているのは、
👉 忙しい環境ほど人が定着しにくいという点です。
例えば、
・作業量が多い
・休みが取りにくい
・常に余裕がない
こういった状態が続くと、
👉 人手不足になりやすくなります。
そしてもう一つ大きいのが、
👉 給料とのバランスです。
・忙しさに対して給料が見合っている
→ ある程度人は集まりやすい
・忙しさに対して見合っていない
→ 人は離れていきやすい
ただし、
👉 給料が高ければ必ず人が集まるわけでもありません。
現場では、
・働き方に無理がある
・人間関係が合わない
こういった要素が重なると、
👉 給料だけではカバーできないこともあります。
結果として、
👉 忙しい現場ほど人が不足しやすい
これは船種に関係なく起きている現実です。
■ 給料と対価のバランス
最後に、給料についてです。
タンカー船は一般的に、
他の仕事と比べて給料が高いと言われることがあります。
実際に、
👉 この働き方と責任の重さがあるからこそ、ある程度高めに設定されている側面はあります。
ただ現場の感覚としては、
👉 「本当に対価として見合っているのか」と感じる人もいます。
これは人によって考え方が分かれる部分ですが、
・忙しさ
・拘束時間
・責任
これらをどう受け取るかで評価は変わります。
そのため、
👉 給料が高いから良い仕事
👉 きついから悪い仕事
という単純な話ではありません。
👉 自分が納得できるバランスかどうかで判断することが大切だと思います。
■ 最後に
タンカー船の仕事は、
確かに楽な仕事ではありません。
ただ、
👉 合う人にとっては続けられる仕事でもあります。
・忙しい環境でも集中できる人
・閉鎖環境でも問題ない人
・仕事として割り切れる人
こういった人には合う可能性があります。
一方で、
👉 無理が続くと厳しくなるのも事実です。
実際に現場では、無理を続けた人から離れていくのも珍しくありません。
大切なのは、
👉 自分に合っているかどうかで判断することです。
今の働き方だけが全てではないので、
一度他の選択肢を見てみるのも一つだと思います。
■ 関連記事はこちら
▶ 船乗りを辞めたい人へ|現役が話す現実と選択肢


コメント